講座(142)〜食の安全対策〜カネミ油症事件の教訓(その1)

日本は食品公害の発生大国である。
その中の一つである最大規模の「カネミ油症」事件は、
発生後42年を経た現在も多くの被害者が苦しんでいる。


1968年、北九州のカネミ倉庫が製造した食用「米ぬか油」に
有害化学物質であるダイオキシン類の一種の
PCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)が混入。
同油を摂取した福岡や長崎など約1万4千人が被害を受けた。


それらの内、国による被害認定を受けたのは約1,900人。
しかし今も未認定が健康被害を訴え続けている。
被害者らは、医療費などを公費で賄うための法案の制定を求めている。


厚労省は、2010年3月31日にカネミ油症認定患者を対象に実施した
初の大規模な健康実態調査の結果を発表した。


回答した1,131人の内訳は、男性505人、女性581人、
平均年齢は61.7歳、男女とも45歳〜49歳が最多。


それらの人たちの内、延べ605人が自分の「子供38%」や「孫15%」にも
有害化学物質による「症状がある」と答えた。


被害者自身については97.5%が「なんらかの病歴がある」と回答。
ダイオキシン類の被害症状の一つである
「骨・関節の病気」が85.1%(複数回答)も占めていた。


また、71.4%の人たちは、今も日常生活における「健康問題がある」と回答。


この調査結果は、被害者自身の健康問題は当然のことだが、
それ以外に注目すべき事実が浮かんでくる。


その一つは、回答者の年齢が「45歳〜49歳が最多」ということである。
すなわち、被害を受けた時の年齢が3歳から7歳の子供であった。
悲惨であり、なんともやりきれない思いがする。
生涯、ハンディを背負わされているのである。


さらに、それら直接被害を受けた世代だけでなく、
次世代以降にも影響が及んでいる実態が明確になったのである。
「子供」から「孫」の世代にも被害が受け継がれているのである。

無意識で日々に体内に摂り込んでいる
農薬やダイオキシン類などの「環境ホルモン」、
自然界に存在しない化学物質で造られた
加工食品に含まれている「食品添加物」は、
あなたの子供や孫の世代にも引き継がれるのである。
この事実をしっかりと認識する必要がある。


特に、将来、子供をと思っている女性は
この事実をしっかりと認識してほしいと願う。
なぜなら、胎内の羊水や母乳が汚染されているからだ。(続)


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