講座(81) 雑食性への回帰の必要性(その4)


文明の発展、科学の進歩によって
食物を人工的に加工する技術を獲得し、
その恩恵として、
日々、加工食品に依存して食生活が成り立っています。
その恩恵の裏で、現代人の雑食性が損なわれているとともに
健康障害や肥満が進行しています。


第一の原因は、
「命のない食物」を多く体内に取り込んでいることです。
化学物質で造られた「人工甘味料」「着色料」などが含まれている
キレイな色のジュース類などの「死んだ水分」と、
太陽の光をいっぱい浴びた果物などに含まれている
「生きた水分」の違いです。


ビタミン剤やサプリメントなど
人工的に加工された「生命のない」健康食品類と
ミカンなどの果物、生野菜、魚の刺身など「
生命酵素を含んだ」食物との違いです。
生命活動にどちらが有益かを論じる必要もありません。


第二の原因は、
食メニューの主役が繊維質の少ない加工食品類であることです。
自然から得られる多種多様な食材は、穀類・豆類や肉類などのように
よく噛んで食べなければならない食物が多いのです。
ところが、それらの食材は「柔らかく食べやすい食品」に加工され、
食生活の主役になっています。


パン、麺、ハンバーグなど
あまり噛まなくても食べられる食品が食卓の主役です。
この結果、食事による噛む回数は、
昭和初期と現在と比較すると
半分以下になっているとの調査があります。
当然、食事時間も短くなっています。
ココロを豊かに育む「食」が損なわれているのです。(続)