カエルが鳴かない田んぼ

[脳・健康・食・DIET] 講座(No.378)

　
夏の夜は、
田んぼのカエルの鳴き声がにぎやかで、
子守唄のような心地よい響き。
小川にはメダカがスイスイ、
トンボが川草で昼寝。

ひと昔まえ、そんなのどかな風景が
身近にありました。

戦争中の幼い頃、
福井県の若狭湾に面した
三方五湖の近くの
伯父の茅葺の家で過ごした想い出です。
湖と山と緑に囲まれたのどかな農村は、
私の第二の故郷です。

今、田んぼから
カエルの鳴き声聞こえますか。
田んぼの水路につながる小川にメ
ダカやトンボが戯れていますか。

カエルの鳴き声のない田んぼは
死んだ田んぼ。
メダカやトンボは、
探してもいない。
どこへ行ったのか。

このような風景を
異常とは思わなくなった私たち。
そんな田んぼで栽培された
お米を躊躇なく食べる私たち。

農薬まみれの田んぼの水を
川から海へと流し、
魚介類や海藻類を汚染しても
とがめることのない国。
私たちは、
どこか狂ってしまっているのです。

異常を異常と思わない
鈍感な感性にも
気づかない私たちです。

そのように自然の環境が
汚染されている状況を、
私たちは黙認し、
現実から
逃避しているのではないでしょうか。

経済的な豊かさと引き換えに、
大切な生命活動の根幹を浸食する
悪魔を自ら呼び込んでいることに
多くの人たちは気づいていません。

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