講座(148)〜体重変化と死亡リスク(その4)

40歳以降の中高年者の体重が5kg以上減少すると、
一体、なぜ、ガンのリスクが高くなるのだろうか。
今回の疫学調査では、その因果関係は不明とされている。


しかし、考えられる要因は存在している。
それは、加齢とともに体内に累積的に蓄積されている
有害化学物質の影響によるガン発症のリスクである。


例えば、女性ホルモン様(エストロゲン)の作用をして、
内分泌系をかく乱させる物質がある。
それらを「環境ホルモン」と呼んでいる。


この環境ホルモンとい名称は日本における造語である。
正式な名称は「外因性内分泌かく乱化学物質」である。
すなわち、人体内のホルモンの働きをかく乱させる物質の総称である。


「外因性物質で、生体の恒常性、生殖、発生、あるいは行動に関する
種々の生体内ホルモンの合成、貯蔵、分泌、体内輸送、受容体結合、
ホルモン作用、その分解・排泄などの過程を阻害する物質」
(1997年、米国ホワイトハウス科学委員会などの定義)


それらに該当する物質は、身近な合成洗剤から産業用の化学物質、
殺虫剤などの農薬など、多岐にわたっている。
別の表現をすれば、
それらの物質の中で私たちは日々生活していると言える。


「食の安全対策」を講じないダイエット法は危険であると、
以前から指摘している。
拙著「やせるヒントは脳にある」(西日本新聞社刊)
においても警告している。
その理由は本ブログでも再三述べている通りである。
概略を述べると以下の通りである。


環境ホルモンや自然界に存在しない化学物質で造られた
食品添加物など、有害物質は「脂溶性」であり、
容易に脂肪細胞・組織に溶け込む。
当然、加齢とともに体内での蓄積量は増加する。


ダイエットすると脂肪量は減少するが
脂肪に含まれている発ガン性などのある有害化学物質は減らない。
その結果、脂肪量の含有濃度は高くなり、発ガンなどのリスクは高くなる。
特に、異所性脂肪や内臓脂肪はリスクが高いと推測される。
「ダイエットによる死亡リスクが高くなる」危険があると考える。
だから、ダイエット中は特にその対策が必要である。


同報告書は「今回の調査では体重減少の理由までは把握していませんので、
ダイエットで意図的に減らした場合と自然に減った場合とを区別できません。この点について、さらに検討が必要です。」


疫学調査は「相関関係」の統計数字であり、
それらの「因果関係」を示すものではないということです。


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DR.BRAIN_DIET=自然流健康ダイエット教室


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