講座(146)〜体重変化と死亡リスク(その2)

厚労省の調査で注目すべき内容が含まれていた。
それは「体重減少とガンによる死亡リスク」である。
相関関係ではなく、
「ガン」という因果関係の要素に入っていることである。


それによると、
「体重変化2.4kg以内の人」と比較すると、
「体重が5kg以上減った人」のガンによる死亡リスクは、
男女とも「1.5倍」であったという事実である。


また、「5kg以上体重増加した女性」の
循環器疾患による死亡リスクは「1.9倍」であった。
中年期以降の女性の肥満は死亡率が高くなるのである。


5年の調査期間後から約9年間で4,232人が死亡。
うち、ガン死亡者数は1,872人(44%)、
循環器疾患による死亡者数は1,021人(24%)。


しかし、同報告書では体重減少の理由は
「自然に減ったのか、ダイエットによって意図的に減ったのかは不明」
とされている。
そして、「病気治療の減量は必要」と指摘している。


この因果関係については、次の二つの解釈が成り立つ。
そのⅠは、「ガンや病気になり痩せて、体重が5kg以上減った。」
その2は、「体重が5kg以上減ったから、ガンや病気になった。」
主語が反対になっているが、どちらの因果関係も成り立つのである。


「ガンになり痩せて、体重が5kg以上減った。」ということは、
当然ありうることであり、死亡リスクが1.5倍でも驚くに値しない。
疫学調査の中にそれらに該当する人たちも含まれているだろう。


問題は、その2は、
「体重が5kg以上減ったから、ガンのリスクが高くなった。」場合である。
中高年者の体重が5kg以上減ると、
一体、なぜ、ガンによる死亡リスクが高くなるのだろうか。


この原因については、拙著「やせるヒントは脳にある」(西日本新聞社刊)や
本ブログで「食の安全対策のないダイエット法は危険である」と指摘し続けている。(続)


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