講座(145)〜体重変化と死亡リスク(その1)

2010年3月23日、厚労省の研究班は、
「中年期以降の体重変化と死亡リスク」について公表した。


調査結果によると、
中年期以降における「体重変化2.4kg以内を1として比較」すると、
「体重が5kg以上減った人」の死亡リスクは、
男性1.4倍、女性1.7倍であった。
逆に5kg以上増えた人の死亡リスクは、
男女とも1.3倍であった。


この調査は、10都道府県の40歳から69歳の
男女約8万人に及ぶ疫学調査である。


5年間の体重変化後、平均約9年間の生存状況を追跡した。
その結果、BMI(体格指数)、年齢、喫煙習慣の有無に関係なく、
「体重増減の変化が大きいと死亡リスクは高い」ことが判明。


以上の疫学調査は「体重変化2.4kg以内の人」と
「体重が5kg以上増減した人」との相関関係の統計であり、
死亡リスクが高くなる「因果関係」を示すものではない。


例えば、5kg以上体重が増減した原因が「病気」なのか、
または「加齢」によって自然に増減したのか、不明である。
あるいは、過食によって肥満したのか、
または、病気治療や健康維持のために
ダイエットによる減量なのか、不明である。


本来、大規模な疫学調査は、
標本「A群」と「B群」の相関関係を示す統計である。
多くの場合、その「因果関係」、すなわち、原因は不明である。


今回の調査で注目すべき内容が含まれている。
それは「体重減少とガンによる死亡リスク」である。


それによると、
「体重変化2.4kg以内の人」と比較すると、
「体重が5kg以上減った人」の
ガンによる死亡リスクは、男女とも「1.5倍」であった。


この事実をどのように解釈するかが問題である。


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