講座(80))雑食性への回帰の必要性(その3)

雑食性の食性とは、現代風に翻訳すれば
「栄養のバランス摂取」と述べました。
また、雑食性は「知恵ある人類」である現代人の
進化の源と述べました。
進化とは、脳の進化のことです。
さらに、雑食性であることは、
種の繁殖戦略上、大変な有利性があります。


雑食性によって多くの食物を食べることは、
考える、選択する、吟味するなど、
脳の複雑精巧な機能を育む動機となっています。


さらに、多種多様な食物を摂取する能力を確保していることは、
ヒトの種の繁殖力を維持することに貢献しています。
簡単に言えば、ある食物が地球上から消滅しても、
他の食物で代替でき、生き延びることができます。


パンダやコアラは、
笹の葉やユーカリが地球上から消滅すると、
一体、どうなるでしょうか。
他の食物を食べる食性のない動物は、
種の保存・繁殖ができなくなり、
地球上から消える運命にあります。


文明の発展とともに現代人の雑食性が損なわれています。
その主因は、食物を人工的に加工する技術を獲得したことです。
科学技術の発展の恩恵として、
日々、加工食品に依存することによって、
現代の食生活は成り立っています。(続)