講座(57) 肥満の原因論(その6) 「朝食抜きで、夜にしっかり食べる」(続6)

朝食抜きで、夕食中心の人は、二食なのに、なぜ太るのか。

その謎を解く第二の鍵は、人体のリズム性にある。

その主役は脳幹にある視床下部の働きである。

その部位にある視交差上核という「体内時計」は、

太陽の運行と連動し、運針を動かせている。

自律神経系は体内時計と連鎖している。


朝、太陽の「明」を脳が感知すると、交感神経系が活性化する。

夜、太陽が沈み「暗」を脳が感知すると、

副交感神経系が活性化する。

このリズム性は、脳のリズム性である。

壮大な宇宙の営みの中で生きている私たちの脳は、

絶えず宇宙とハーモニーしているのである。


交感神経は「動的」な神経系であり、エネルギーを使う。

副交感神経は「静的」な神経系であり、エネルギーを蓄える。

この二つの神経系の働きによって、

生命の根幹的な営みである新陳代謝が行われている。


副交感神経系が優位な夜は、消化吸収作用が強い。

日中に消費したエネルギーを補う自然の作用である。

したがって、夜に過食すると、

脂肪に合成させる同化作用が活性しているので

肥満するのは必然である。


「肥満は夜につくられる」のである。