講座(56) 肥満の原因論(その6) 「朝食抜きで、夜にしっかり食べる」(続5)

朝食抜きの人の脳は、

大変危険な状態になっていると指摘した。


慢性的な脳の栄養失調の状態は、

アルツハイマー病などの認知症

誘因になっているのではないかと推測する。

さらに、ココロの発現の歪みの要因にもなっており、

その人の性格や人格形成にも影響を与えている可能性がある。


それら脳機能の歪みの他に、朝食抜きの人は、

「夜に過食になり、肥満しやすい」という副作用もある。


朝食抜きの習慣は、脳機能の劣化と肥満という

二つの現象をもたらす、表裏一体の関係である。


では、夜にしっかり食べると、なぜ、肥満しやすいのか。

朝食抜きの人は二食だから、

朝、昼、夜と三食の人よりも少食だから、

太らないのでは、と考えがちである。

ところが、実際は夕食中心の二食の人のほうが太るのである。


まず、なぜ、夕食中心の食生活になるのだろうか。

それは、朝食を抜く二食では、栄養素の摂取が不足しているから、

脳が指令を発するのである。

「夕食でしっかり補え!」である。

すなわち、夕食が過食の状態になってしまうのだ。

では、夜に過食するとなぜ太るのか。


その第一は、生命活動の根源である「新陳代謝」と深い関係がある。

食物を体内成分に同化させるには、インスリン分泌が必須である。

日に同じ量の食物を摂取した場合、

三食よりも二食のほうが、インスリン反応が高いのである。

反応が高いとは、インスリン分泌量が多くなり、

体内に食物の成分を取りこむ力が強いということである。

したがって、脂肪を蓄えやくなり、肥満するのである。(続)