自然治癒力を阻害する要因〜抗生物質の多用は危険

[脳/食育/自然治癒力/DIET]講座(291)


「毒(薬)を以って、毒(病)を制する」は、
自然治癒力を弱める原因になっています。
風邪で病院に行くと、
必ずと言ってもよいほど抗生物質を処方されます。


過去、医学界では抗生物質は「救世主」と言われてきました。
現在でもその風潮が続いており、
医師は抗生物質に依存して大量に処方しています。
多くの患者は無抵抗に抗生物質を言われるままに飲んでいます。


抗生物質は薬としてだけでなく、
輸入肉類や養殖魚などの飼料の中にも
感染症予防のために入っています。
それらを食べている人の体内には、
抗生物質が取り込まれているのです。
おそろしい現実です。


抗生物質は、風邪の菌類には有効ですが、
インフルエンザなどウイルスには効きません。
ウイルスは微生物ではありません。
なぜなら、ヒトや動物の細胞の中に入り込んで増殖しますが、
自己増殖はできません。
生物と無生物の中間に位置すると言われています。


抗生物質を多用していると、
腸内にいる100兆個を超す菌類をも殺すことになります。
自然治癒力は、腸内に常在している500種を超える
善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスによって支えられています。


抗生物質を飲んだ後、下痢などお腹の調子がおかしくなるのは、
腸内の細菌類が死んでいる証拠です。
菌類のバランスを抗生物質によって狂わされることによって、
自然治癒力はみるみるうちに低下してしまいます。


この抗生物質の不適切な投与や過剰な処方によって、
腸内の菌類が抵抗力を増して進化し抗生物質の効かない菌類が出現しています。
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌多剤耐性緑膿菌などです。
それら多剤耐性菌の拡散によって大学病院内で感染し、
多くの患者が死亡した事件がありました。


さらに進化したのが「新型多剤耐用菌」(NDM-1)です。
それらの進化した菌類を殺す薬剤は存在していません。
ですから、感染すると確実に死亡します。


微生物の細菌類を殺すことにまい進してきた
人類に対する菌類の逆襲が始まっているのです。


人類の歴史はたかが約700万年、
微生物は約40億年以上の間、生命を繋いでいます。


人類と微生物の戦いの勝者は、
その生命力からみると微生物であることが明らかです。
いくら人間の叡智を傾けても、微生物を支配することは不可能です。


現にNDM-1に対しては人間の力は無力です。
仮にNDM-1を殺す手段を開発したとしても、
その菌がさらに進化し「NDM-2、3、4〜」と新たに出現することでしょう。
腸内には菌類が100兆個常在し、
また全身の皮膚の表面には約1兆個の微生物が常在し、
外敵の悪い菌類から全身を守ってくれています。


このように私たちと微生物は生命の誕生以来、共存共栄しているのです。
すでに農業においても「エンドファイト」
(内生菌:植物の中で共生的に生きている菌類の総称)
と共生することによって、
菌類の特性を生かした栽培方法が行われています。


エンドファイトの有用菌を用いて植物に内在している免疫機能を活性化し、
病虫害に対する抵抗性を高めることにより、
農薬や化学肥料を使わない栽培技術です。
未来の農業は「植物と微生物(エンドファイト)との共生関係」によって、
「食の安全」に寄与する変革がもたらされる可能性があります。


これまでの微生物を殺す発想から、共生する方向に転換する必要があります。
この発想の転換は、生物の一員としての人間が内包させている
原始的な自然治癒力が自然界から保護される契機となることでしょう。(続)


◇◇◇◆[食の安全対策]◆◇◇◇「安全に食べる知恵」◇◇◇(次回に繰延)


★日本初の男女別の「食育・ダイエット」CDプログラム好評発売中です。
 「三食・安全・健全」な食生活の実践方法を伝授。
お申込は〜自然流健康ダイエット教