環境ホルモンに無関心な人は、危ない!

[DR.BRAIN_DIET〜脳&食育]講座(164)


普及CD版ダイエット・プログラム制作の経緯と目的(その3)


今年2月から発売している
普及CD版「食育・ダイエット」プログラムの
制作の経緯と目的について述べる。(その3)である。


31年間培ったノウハウは、本来は企業機密である。
しかし、1万数千人の人から頂いた情報は、
社会に還元すべき情報であると確信している。
その一環として制作し販売を始めたのである。
そのノウハウの構築には、以下のような経緯があった。


この仕事を始める前の1960年代の銀行員時代に読んだ
農薬のDDTの発ガン性を告発した
沈黙の春」(SILENT SPRING/レイチェル・カーソン著)
に触発されて「食の安全」について興味を持っていた。
その著書の冒頭に書かれていた「明日のための寓話」を読んで
鳥肌が立つ戦慄を感じたことを鮮明に覚えている。
なぜなら、戦後の不衛生な環境で生活していた小学校時代に
頭から白い粉のDDTを振り掛けられて殺虫消毒されていたからである。


その後、縁があり、現在の「食」に関わる仕事をしているが、
不思議なめぐり合わせである。
そして、「明日のための寓話」は、
すでに「現実の実話」になっていることに気づき愕然とする。
工場廃液として海に排出されたメチル水銀による
魚介類の汚染による水俣病
ダイオキシン類の一種であるPCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)が
食用油に混入したカネミ油症事件などは寓話でなく実話である。


1997年に発刊された
「奪われし未来」(シーア・コルボーンら著/翔泳社刊)によって、
環境ホルモン」という言葉が世の中でブームになった。
食の安全対策が話題になったのである。
その代表格が猛毒の「ダイオキシン類」である。


ところが、現在では多くの国民は無関心である。
ダイオキシンは無害だ」とTVで公言する評論家や学者まで表われる始末。
ダイオキシン」という単体の物質は
存在していないことも知らないようだ。
ダイオキシン「類」という多数の猛毒化学物質が存在しているのである。


なぜ無関心になったのか?
その原因は国の政策にある。


2000年に施行された「ダイオキシン類対策法」において、
WHOが最終目標とするTDI(耐容1日摂取量/pg/1kg体重/日)
「1pg」とせず、「4pg」としたことによる。
当時の民主党などは「1pg」と主張していたが、
政権は厚労省の官僚の主張に同調したのである。


2003年度における日本人のダイオキシン類の摂取量は、
毎日平均「体重1kg当り1.36pg」であった。
だから、4pg以内だから安全としたのである。


もしもTDIが「1pg」であれば、日本人全員が危険水準である。
ガン患者・死亡者数が毎年増加していることと無縁ではないと思う。
詳しくは、拙著「やせるヒントは脳にある」の
第三章「その食べ物は安全ですか?」で述べている。


ダイエットと食とは、表裏一体の密接な関係にある。
この食は、「美味しいか?」「栄養価があるか?」よりも優先すべきは、
「その食は安全か?」と問わねばならない時代である。


TVで見る料理人は一切無関心で「美味しさ」だけを強調している。
人の生命と健康を預かる立場の料理人としてのモラルと能力が問われる。


だから、ダイエットに関わる食事指導においても、
「栄養のバランス」という古典的な内容だけではなく、
「食の安全対策」が必須の前提条件でなければならない。
この視点のないダイエット法は危険である。
特に、環境ホルモンや合成添加物などの有害化学物質は、
肥満の素の脂肪細胞に溶け込んで累積され続けているからである。


有害化学物質の蓄積量が閾値(いきち)に達したとき、
ガンなどのリスクが高まり、発症促進因子になるのである。
ダイエット中の皆さん、無関心でおれますか?


★「やせるヒントは脳にある」〜西日本新聞ネット書店

DR.BRAIN_DIET=自然流健康ダイエット教室