(号外)人間の無限の「創造性と破壊性」(4)高次の人間脳の判断である。

快感神経であるA10神経系列は、「無髄神経」(裸電線)であり、
その神経細胞のどこからでも快感伝達物質(ドーパミン)を分泌している。
さらに、その神経の末端は放電状態になっており、
自己完結するためのシナプス接続がない。
その上に、前頭連合野に分布しているA10神経には、
他の神経系のようなブレーキ(負の力)がないのである。


これが無限の快を求める脳の情報伝達システムであり、
A10神経には善悪を判断し認識する機能はなく、
知性・理性などを司る高次の前頭連合野に情報を伝達しているのである。


高次の人間脳に分布しているA10神経は、
心を創出する重要な三箇所からの情報を前頭連合野に伝達している。
裸電線から制限なく伝達物質が放出され、その上にブレーキがないことは、
人間の精神活動が自由奔放に行えることを意味している。


すなわち、善悪の判断と行動は、人間脳の前頭連合野の作用である。


中脳から前頭連合野に至る神経回路で得た情報が
前向きな意欲による作用が働けば人間脳は無限の創造性を発揮する。
この心が原子核から「電力」を創造したのである。
この創造によって人間脳は「快」を感じるのである。


一方で同じA10神経が収集した記憶や怒りによる感情の情報が働くと、
人間脳は無限の破壊性の行動を起こすのである。
それが破滅をもたらす「原爆」である。
戦争によって人命が失われても、あるいは人命を奪っても、
さらに残虐な破壊行動をしても、
勝利者の人間脳は「快」を感じるのである。


このように「快」の情報の善悪を認識し判断し行動できるのは、
人間脳、すなわち高次の前頭連合野だけである。


以上のようにA10神経は、高次の人間脳である前頭連合野において、
無限の創造性と破壊性を生み出す役割を果たしているのである。
この神経系統は善悪に関係なく、ヒトの進化をもたらす原動力でもある。


現在の「新人」という種が地球上にいる限り、
この脳の情報伝達システムは変わることはないだろう。
なぜなら、このA10神経の機能が無くなると、
「無限の創造性と破壊性」が失われる。
失われることは、新人としての種の絶滅を意味するからである。


しかし、しかし、である。
10万年先か、50万年先には、
ホモ・サピエンスの「新人」から枝分かれして、
より進化した「超新人」が地球上に現れるかもしれない。
宇宙時間からは、10万年や50万年は「瞬間」である。
また、太陽が燃え尽きて地球が宇宙から消滅するまでの時間である
「億年」という単位からみても、それらの年数は「数秒間」である。


超新人が出現するその時、現在の私たち新人は絶滅していることだろう。
そして新しく現れる超新人の高次の人間脳は、
さらに進化していることだろう。
「悪」や「破壊性」に対する
ブレーキがかかる遺伝子が組み込まれていることだろう。
「人が人を殺す」という愚かで残虐な行為がなくなっていることだろう。


そのためには、現在の新人の私たちの
平和への祈りの力と行動力の結集が必須である。
その力強い環境によってのみ、超新人の前頭連合野
破壊性(悪)を封印する遺伝子が組み込まれる契機となることだろう。


無限の創造性の機能を備えた新しい遺伝子によって、
超新人の人間脳はさらに進化するだろう。
そして、他の生物とも共感的に生きる
平和な世界が出現していることだろう。
それは、水と緑が豊かな地球という星を育む時代の到来である。


暑い夜の夢物語である。(終)


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