(号外)人間の無限の「創造性と破壊性」(3)〜その行動を生み出すA10神経

今日は、8月15日、敗戦から65年目。
有史以来、
なぜ人間が人間を殺すという愚かな行為をやめないのであろうか。
実は人間の脳には無限の「創造性と破壊性」が潜んでいるからである。
例えば、マザーテレサのような「無限の優しさ」、
ヒットラーのような「無限の残虐性」は、
脳の神経系列からみると一体の関係にある。


人間の無限の創造性と破壊性の心を生み出しているのは、
高次の人間脳である前頭連合野に分布しているA10神経の作用の影響である。


A10神経は、人間の心にとって最も重要な「知性」を生み出す
大脳新皮質前頭葉と側頭葉、
そして「感情」を生み出す大脳辺縁系大脳基底核
さらに「意欲」を生み出す脳幹の視床下部につながっている。
このように心(精神活動)にとって
最も重要な三箇所だけを通っているのである。


まず、A10神経は、生命脳の間脳の中脳から延びて視床下部に入る。
視床下部は「性欲、食欲、体温調節」という三大中枢があり、
人間の「欲」が育まれている。


次にA10神経は、大脳辺縁系の海馬(記憶、学習)、扁桃体(怒り、攻撃)、
尾状核(態度、表情)、側座核(行動力)などを走行している。
さらに、すべての本能活動をまとめる
帯状回」(たいじょうかい)に入って行く。


そして最後にA10神経は、人間の高次の精神活動(知能、理性など)を司る
前頭連合野とそれを助ける側頭葉(快感を生み出す)などにつながっている。
このようにA10神経は、
生命活動、本能、感情、意欲、行動、知能、理性など、
人間の心を創出する細胞核だけにつながっている上行性神経である。


そして、A10神経は他の神経と異なり「無髄神経」(裸電線)であり、
その神経細胞のどこからでも快感伝達物質(ドーパミン)を分泌している。
他の神経系は有髄神経(鞘)であり、標的細胞と結合して自己完結している。


ところが、A10神経にかぎっては、その末端は放電状態になっている。
すなわち、その神経の末端には
自己完結するためのシナプス接続がないのである。
その上に、前頭連合野に分布しているA10神経には、
他の神経系のようなブレーキ(負の力)がないのである。


快感神経であるA10神経系列は、
無限の快を求めるための脳の情報伝達システムであり、
善悪を判断し認識する機能はない。
善悪に関係なく快をもたらす情報を
人間脳の高次の前頭連合野に伝えているのである。
このシステムと機能が無限の創造性と破壊性を生み出す原点である。


その結果、人間の行為・行動はどのようにして生じるのか。
明日、1回追加して「脳から読み解いた結論」を述べる。(続)

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