講座(140)〜食の安全対策が必要です(B)
ダイエットによる脂肪動員は、日々の生理的な脂肪代謝とは異なり、
意図的に脂肪をエネルギー化するために脂肪細胞を分解して、
その産物の遊離脂肪酸を血液中に放出することです。
その遊離脂肪酸は肉体の直接エネルギーとなります。
動員されるのは脂肪細胞の中の中性脂肪であり、
この脂肪細胞の中に有害化学物質が溶けて蓄積されています。
ですから、エネルギー化するために脂肪が分解するとともに
有害化学物質も血液中に放出されます。
この脂肪動員は、有害化学物質の体外への排出作用がともなわず
血流に乗って体内を循環します。
エネルギー源となる遊離脂肪酸は消費されても、
有害化学物質は消費されず体内に残ったままです。
血流に乗って体内を循環している有害化学物質は、
全身の器官の脂肪組織を標的として蓄積を続けます。
標的の器官は内臓や皮下の脂肪組織の他、
肝臓、腎臓、甲状腺、卵巣、子宮、乳房、そして脳などです。
それら標的にされた器官は、脂肪動員による中性脂肪の減少によって、
それ以前よりも有害化学物質の含有濃度が高くなりますから、
刺激を強く受けることになり、発ガンなどのリスクが高くなります。(続)