講座(50) 肥満の原因論(その5) 「必要以上に食べ過ぎてしまう」
食事をしてお腹が満腹すれば、食べられなくなるのが通常です。
ところが、同じ物を食べても、満腹しない人がいます。
一人は満腹、一人は満腹せずに「もっと食べたい」のです。
もっと食べたい人は、満腹の人に比べて当然、太ります。
この差は一体なぜ生じるのでしょうか。
満腹感は、脳幹にある視床下部の満腹中枢神経の作用です。
この中枢神経は、
通常は脳の血糖値(ブドウ糖濃度)が130(mg/100ml)前後で
満腹感のシグナルが発生します。
すなわち、満腹感が生じる「セットポイント」です。
このセットポイントが通常よりも高い血糖値に上昇していると、
なかなか満腹感が生じません。
このために、本来の必要以上に食べ過ぎてしまうことになり、
当然、肥満します。
友達と同じメニューの食事をしても、
相手は「満腹」というのに、自分は「満腹でない」という人、
あなたは、必要以上に食べ過ぎて肥満しているのです。