講座[(47) 肥満の原因論(その3) 「やせない!」と嘆く肥満者〜
前回、肥満者の中には、
血中のインスリン濃度が低くなるべき「空腹時」でも、
なおインスリン濃度が高い状態の人がいると述べました。
この状態の肥満者は、空腹でなくても、
絶えず、生理的な食欲が生じますので、
「あまり食べていないのに、すぐ太る」ことになります。
実は、この高インスリン状態の肥満者は、
空腹でなくても食欲が生じるだけでなく、
「やせにくい」人でもあるのです。
やせにくいとは、太る原因の裏返しでもあります。
その理由は、インスリンは肥満の元である
脂肪細胞の分解を抑制する作用があります。
抑制作用とは、脂肪分解を抑える、
すなわち、肥満を解消させない働きがあります。
肥満者の中に、「やせにくい!」と嘆く人がいる理由です。
中度から高度の肥満者に多い、「高インスリン」状態の人は、
「あまり食べていないのに、太る」
「なかなか、やせにくい」
という二重のハンディがあるのです。
しかし、三食、普通の食事を食べながら、
健康的にやる本物のダイエット法によって肥満を解消すると
「高インスリン」状態から解放されます。
代用食品類や単品食品類、厳しい食事制限で、
一時的に体重を下げて「やつれる」ことは、
本来の肥満を解消したことにはなりません。
すなわち、高インスリン状態は改善せず、
事後に激しいリバンド現象が生じることになります。
この現象は、脳からの指令です。