脳が起こす奇跡

〜号外〜


右手、右足が麻痺しているバスケット少年が、
公式試合でサイドから左手一つでシュートし見事に決めた。
奇跡である。
TVでその映像を見て、人間に宿る無限の可能性をかいま見た。


少年は中学生の時、脳内出血で右半身が麻痺したのである。
左脳で司る右手と右足の神経細胞シナプス回路が、
出血によって損傷し機能停止してしまったのである。
この局所の機能回復は不可能である。


少年は高校に入っても大好きなバスケを諦められず、
部活を続け、リハビリに励んだのである。
動かなかった右手、右足も動くようになったが、
まだ自由に使えるまでは回復していない。
でも、左手でシュートの練習を続けていたのである。
監督やチームメイトは、その姿をしっかりと見ていたのである。


公式試合の残り3分あまりの時間に監督は彼をコートに送り出した。
その直後、仲間からパスを受けた彼は、
左手一つで見事にシュートを決めた。
ベンチの監督とチームメイトの歓喜する姿が本当に美しく爽やかである。


なぜ。彼は奇跡を起こしたのだろうか。
それは、脳の力である。


左脳で司っていた右手、右足の機能が停止しているのだから、
動かないのが当然である。
けれども、右側はまだ完全に機能回復はしていないが、
リハビリによって試合に出るまでに回復したのである。
なぜ、動くようになったのだろうか。


それは、損傷し機能停止している右手、右足の機能を
他の神経細胞シナプス回路が代役を果たしているからである。


脳は絶えず変化し進化し続ける力を持っているのである。
この脳の代役機能が働くようになるには、
激しく厳しいリハビリを克服した人だけが享受できる脳の力である。


私たちの脳は、与えられた環境や状況の変化に対して
柔軟に反応する力を持っている。


その力は、年齢に関係なく何歳になっても、
絶えず変化し進化し続けているのである。
たとえ73歳になっても進化し続けていることを
私自身が日々実感している。


脳の「変化・進化」が起こる機能とは〜
神経細胞の新たな代役機能とシナプス回路の増殖
・記憶を司る「海馬」の神経細胞の新生
・使われていない神経細胞の新たな活用


脳の「変化・進化」をさせる条件は〜
ブドウ糖の周期的な供給(三食主義)
・多種多様な栄養物質の供給(脳の栄養失調の防止)
・ウォーキングなどの軽い運動(週2〜3回/30分前後)
・リハビリの継続
・イメージトレーニン
・前向きな思考・瞑想


脳の「変化・進化」による恩恵〜
・脳内出血などによる機能障害からの回復(リハビリ)
・うつ、認知症の予防と改善
・心の進化(知能、意欲、感情)=性格の変化=人間関係の変化=人生の進化


脳の活動によって「心」は生まれる。
この心を表したものが「言葉」である。
言葉を具現化したものが「行動」である。
行動が変われば「人生」が変わるのである。


どのような「心」が生まれるかは、
神経細胞の活性と神経細胞間のシナプス回路の数と種類の増殖、
そして、シナプス回路の隙間に放出する
伝達物質の種類と量によって決まる。
伝達物質の原料は、日々に食べている食物である。


脳にとって良い食べ方をするのと、脳が栄養失調になる食べ方とは、
脳の機能に大きな違いが生じるのは必然である。
すなわち、脳が変化するとは、「進化」と「退化」との両面がある。


後退するのは、前記の「脳の変化・進化をさせる条件」の逆である。
脳に必要なブドウ糖や栄養物質を供給しない。慢性的な運動不足。
リハビリの中断。悲観的な考え方をする、などである。


脳の進化を選ぶか、脳の退化を選ぶかは、個人の自由である。
ダイエット食品類・単品食品使用、糖質(炭水化物)制限などで、
脳を栄養失調にさせて脳機能を退化させるのは当人の責任である。


「食べ方」は「生き方」であり、「死に方」である。


「努力の上に花が咲く」
先に紹介した19歳のバスケ少年の言葉である。


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